カテゴリー別アーカイブ: スズキ・メソード

才能教育研究会 指導者研究大会報告

6/5(月)~6/8(木) 松本市民芸術館にて、全国指導者研究大会が行われました。

日本全国、下は沖縄、上は北海道、そして海外のスズキ・メソードの指導者が集まり、会長講演やスズキで育った生徒やプロで活躍中の演奏家の方のコンサート、また、全体での話し合いからテーマに分かれた研究内容の発表と実践、各楽器別に分かれての講義など、朝から晩までみっちりの濃い時間を過ごしてまいりました。

私は今回、実行委員として事前準備とステージ運営・進行を行いました。ゆっくり座る時間がなかったですが、壇上で講演される先生方の話や演奏を袖から聞きながら、ステージ裏で出番前と後の先生方の顔を見ることができ、貴重な経験となりました。

初日と二日目の会長講演とゲストコンサートは一般公開と言うこともあり、多くの方が来場されお話や演奏に耳を傾けていました。

詳しくはスズキ・メソード ホームページ内「マンスリースズキ」にて掲載されていますのでご覧ください。

マンスリースズキ

また、才能教育会館が耐震工事のためリニューアルされ近代的な作りになりました。夏期学校などで松本を訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください。

5月3日 道しるべの会主催 ”早野会長講演会”

早野会長講演会が03歳児コースで使用している中村公園駅近くのフィオリーレで行われました。

特別版 道しるべの会 案内 HP用 平成29年(2017)4月発行(5月開催分)

早野会長について → 早野龍五会長ってどんな人?

お天気に恵まれたGW初日、名古屋市内の会場に早野龍五会長をお招きしお話を伺いました。会場には東海地区から53名(指導者・スタッフを含む)が集まり、早野会長のお話にメモを片手に真剣に耳を傾けました。

まずは、先生の生い立ちからスズキ・メソードとの出会い、そして鈴木鎮一先生の思い出に続き、物理学の研究に進まれた経緯をお話しくださいました。アメリカ西海岸とカナダでの研究生活を経て、東京大学教授職に就かれた後、スイスのCERN研究所で20年以上にわたる研究を続けていらっしゃいます。一方、2011年3月の東日本大震災以降、多くのお時間と労力をかけて、福島の第一原発にかかる放射線に関する支援を続けていらっしゃることもお話しくださいました。

一旦、スズキ・メソードと距離をおかれていらっしゃいましたが、2013年世界大会で基調講演をお引き受けくださったことを契機に、スズキ・メソードや幼児教育について考察されたとのこと。複数の書籍*の紹介をしながら、その内容をご披露くださいました。

*「幼児教育の経済学」(ジェームズ・J・ヘックマン著)

*「超一流になるのは才能か努力か?」(アンダース・エリクソン著)

 

スズキ・メソードでは、毎日決めた通り練習をし、1曲をちゃんと仕上げて次の曲へ進むということを常としていますが、これがとても大事とのこと。これにより、粘り強く終わりまでやり遂げ、何かをきちんとできる性格の人に育つことができる。

また超一流になるためには多くの時間と努力が必要ですが、スズキ・メソードの経験者ならば、曲が弾けるようになったのは自分に才能があるからではなく、練習(努力)したからと、そのことを自明の理として知っている。人生はできないことに直面し、新しいことを学び続けていくことの連続。できないことに「才能がないから」と言ってしまうのではなく、「まだやって(努力して)ないから」とスズキ・メソードで育った人ならば素直に思える。つまり、どれくらいのことをするのに(目標設定)、どれくらいのことをしないといけないのか、ということが自分自身で評価でき、達成できる人になるということ。

それでは、こうしてスズキ・メソードを通して、粘り強く最後までやり遂げる力、そして自分で目標設定をして自分で達成できるすばらしい力を身につけるのは「何のために」・・・?

この究極の質問に対するお答えは・・・鈴木鎮一先生の著作名である「愛に生きる」でした。

鈴木先生は「(スズキ・メソードでは)音楽家を育てるのではない。良い市民を育てるのだ。」ということをよくおっしゃっておられました。鈴木先生のおっしゃる「良い市民」とは、生まれつきではない高い能力を身につけて、それを自分自身がよりよい生活をするために使うだけではなく、何かよりよいものを次世代に残していくことのできる人。自分の生きた証として、惜しみなく、次の世代に自分が身につけた能力を与えていくことのできる人のことを指しています。つまり、立派に子どもを育てる、よいよい社会になるようにしていく、そしてひいてはそれが世界の平和につながることをスズキ・メソードは目指しているんです。まさに「愛に生きる」ことなのですね。

この日の参加者は、スズキ・メソードで能力を身につけることの真意をお聞きすることができて、みな大満足。途中、才能教育課程卒業者の追跡調査で、立派な社会人を多数送り出していることを裏付ける実績データのご紹介もあり、説得力のあるお話に参加者も大きくうなずいていました!(スズキ・メソードで得られる能力は)一生の宝です!のお言葉を胸に刻んだ1日でした。

以上

 

 

ちょっと一言・・・講演中、楽譜を読んで楽器を弾くということは、時間を越えて、バッハやモーツァルトの感性や知性と語りあうようなものと表現された早野会長。これは、アインシュタインの数式を読んで、彼の思考を辿るのと大変よく似ているようなものでして・・・とおっしゃるあたりはさすが物理学者でいらっしゃいます!

文:道しるべスタッフ 阿部

*上記の内容の転載・複製を禁じます

早野龍五会長ってどんな人?

2016年8月に才能教育研究会会長に就任された早野龍五会長についてです。

早野会長ごあいさつ

また4月4日に東京品川区きゅりあん大ホールにて行われたスズキ・メソード春休み子供フェスティバルにて、会長の講演が行われました。上記リンク・スズキ・メソードホームページ「マンスリースズキ」にてご覧ください。

日経新聞掲載記事↓

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また、5月3日に名古屋中村公園から徒歩数分のレンタルスタジオ「フィオリーレ」にて会長の講演が行われます。以下PDFチラシをご覧ください。

なお参加申し込みはメールにて、20日(木)午前10時からの申し込みになりますのでご注意ください。

*終了しました

特別版 道しるべの会 案内 HP用 平成29年(2017)4月発行(5月開催分)

また、会長講演の中で出てくる書籍の紹介です。以下のリンクからどうぞ。

幼児教育の経済学 ジェームズ・J・ヘックマン

超一流になるのは才能か努力か?

愛に生きる 鈴木鎮一

考える人 2017春号

 

 

 

 

Brian Lewis Music Camp in Awaji 2017

4月3~5日にかけて、淡路島にて”ブライアン・ルイス ミュージックキャンプ イン 淡路”が開催されました。

連日天気にも恵まれ、また最高のロケーションにてブライアン先生を中心にレッスンを受ける音楽三昧の3日間を過ごすことができました。指導者も各地区より数名参加し、各自クラス別に指導を行いました。

ブライアン先生は「子供たちに愛情を注ぐ太陽のような存在」だと思います。グループレッスンが始まりブライアン先生が音を出すと皆イキイキと全身をいっぱいに使って演奏します。まだヴァイオリンを持ち始めた初歩の子から上級生まで一緒にレッスンを受けますが、だれも飽きず最後まで楽しく集中してレッスンを受けています。まさにブライアンマジックです。また、指導者も一緒にレッスンを受けますが、我々も本当に楽しくて童心に戻ったような気がしました。

続くクラス別レッスンでは各指導者がクラス別に分かれ、それぞれのクラスの課題曲をレッスンします。ブライアン先生は上級生クラスで、難しい曲を丁寧にそしてアカデミックに指導されていました。また故ドロシー・ディレイ先生のレッスンの思い出をお話しくださり、音楽への向き合い方やヴァイオリンを弾くことはどういうことなのかを伝えてくださいました。

初日と3日目の午前中までこのようなレッスンが続き、最終日の午後、お別れコンサートが行われます。その模様の動画を少しですがアップしました。以下からご覧ください。

お別れコンサート映像

 

演奏後名残惜しくもお別れの時間になり、皆先生を取り囲んでのサイン会。長蛇の列で皆の教本やケースに先生のサインをもらって一言コメントをもらって…今回参加できた生徒たちは素敵な思い出ができましたね。

ブライアン先生は、子供のころ日本の松本に来て鈴木先生のレッスンを受けた際の感動を子供たちに伝えたいと話していました。過去の鈴木先生の子供たちへのレッスン映像にも子供たちが本当に楽しくイキイキと演奏していました。日本発祥のスズキ・メソードが海外にも広まり、海外の先生が鈴木先生のレッスンを受けた経験をもとに日本の生徒をレッスンしている…まさにスズキはグローバルです。次回機会があれば皆さんもぜひ参加して体験してみてください!

最後に、神戸の船井先生はじめスタッフのお母様方には大変お世話になりました。準備も含めこのキャンプを企画してくださり関わってくださった皆さまに感謝申し上げます。

☆ブライアン・ルイス先生プロフィール (スズキ・メソード世界大会より抜粋)

4歳の時にエレノア・アレンの生徒としてヴァイオリンを習い始め、母アリス・ジョイ・ルイスの指示でオタワ・スズキ弦楽プログラムに参加。後に、チベリウス・クラウスナーのもとで学ぶ。2度にわたり日本を訪れ、松本の才能教育研究会で鈴木鎮一先生に師事した。ジュリアード音楽院ではドロシー・ディレイ、川崎雅夫、ヒョー・カンに師事し、音楽の学士号と修士号を取得した。
 若手芸術家の育成に献身的に関わり、世代を代表するヴァイオリン指導者として、いち早く世に知られることになった。自身がヴァイオリン科教授を務めるテキサス大学では、弦楽と教育法のデビッド・アンド・メアリー・ウィントン・グリーン講座を担当。また、ニューヨークのジュリアード音楽院におけるヴァイオリン研究のスターリング=ディレイ・シンポジウム芸術監督、ヒューストンのリバーオークス室内合奏団コンサートマスター、カンザス州のブライアン・ルイス・ヤングアーティストプログラムの芸術監督を務める。テキサス・ピアノ四重奏団の創立メンバーであり、バトラー音楽学校のスターリング優秀ヴァイオリニストシリーズの芸術監督も務める。現イェール音楽学校客員教授。

高校3年生と大学生によるコンサート & 西名古屋支部スプリングコンサート 報告

昭和文化小劇場にて

4月1日に「高校3年生と大学生によるコンサート」が行われました。

当日会場はいっぱいのお客さんで満席、生徒たちも思いのこもった渾身の演奏を、またお客さんも生徒たちの演奏に大きな拍手で応えていました。幼少からスズキ・メソードで学び育ち、仲間たちとともに楽しい思い出や一緒に頑張った思い出とともに成長し、そしてこのコンサートを最後に巣立っていく…。このような機会に立ち会える指導者もまた思いがあふれるとても素晴らしいコンサートでした。

このコンサートは生徒たち自身の巣立ちの演奏会ですが、本当はそこまで育てあげたご両親に向けての精一杯の演奏のプレゼントの機会でもあります。ご両親はきっと色々な思いでこのコンサートを聴いていたと思います。

スズキの本質は毎日お稽古するという繰り返しの積み重ねで能力を育てるというシンプルなものです。しかしシンプルゆえとても奥が深く、ただやり続けるだけでもだめ、より良いものをより良い方法で繰り返すという厳しさがあります。そのより良く繰り返すという中に育つ能力は相当高いところまで育ち、それがヴァイオリンにおける能力であっても、ほかのことに通用する能力として育ちます。「一つのことをより良くより高くしていく」という基本に常に立ち返ることは日々反省の連続でもありますが、今回出演した生徒はそれを目指して成長してきました。

これから自身の次の目標に向かって巣立っていく姿を楽しみに、今回のコンサートを見届けました。

 

4月2日に「西名古屋支部スプリングコンサート」が同会場で行われました。

スズキ・メソードには卒業制度と言うものがあります。それは各教本(1~10巻)の中の指定曲を録音しそれを検定委員に聴いていただき、コメントと評価と卒業証書を受け取るというものです。生徒の意欲づくりであるとともに、スズキの「能力を育てる」という重要なものでもあります。その録音した曲を今回のスプリングコンサートで皆の前でお披露目し(曲のグループごとに)、その発表した曲の卒業証書を一人ずつ授与します。

またこのコンサートはスズキ・メソードに入りたてのリズムの生徒から、上記の高校3年生&大学生のような巣立っていく上級生も卒業曲があれば皆演奏します。下の子は上級生を見ていずれあのように弾けるようになるという目標をじかに見ることができるコンサートでもあります。

最初はリズムでまだ演奏がおぼつかない生徒も、各年ごとに卒業曲を演奏しだんだんと上級生に成長する姿はご両親にとっても指導者にとっても嬉しい瞬間です。私も昔はこのように演奏していた…はず(記憶にございません)

また、生徒たちによる弦楽伴奏で演奏する曲もあり、卒業曲を録音しなかった生徒たちも一緒に参加します。最後には全員合奏(リズムも上級生も)で演奏します。

また来年、次の卒業曲を演奏する姿を楽しみに日々のお稽古に励んでほしいと思います。

↑ はやく上級生のように弾きたいな!

フィナーレはチェロもフルートも一緒に全員合奏で「きらきら星変奏曲」を演奏!

 

勉強会

スズキ・メソード創始者の鈴木鎮一先生は音楽も人間も高いところにいる方だなとようやく最近実感してきました。失礼ながら以前はユーモアと気品のある素敵なおじい様と言う感じを持っていたのですが(本当に失礼ですが)、鈴木先生のことを知れば知るほど、スズキ・メソードに関わるほど言葉では言い尽くせない深さを実感します。またその奥深さゆえ途方なさを感じるが、近くに答えがあったり、一人で悩んでいても同じスズキの仲間に支えられて、時には苦しく、時には嬉しく楽しく、人間という生命をより実感している現在です。

聖書やブッダの言葉もシンプルが故に解釈の自由度とそれを受けとる人間的高さが必要なように、その高みに至るまでにはその高みを感じる所まで登らないといけないということに気づきました。と言ってもまだまだ山頂(雲に隠れて見えない)は先ですし、どれぐらいあるのかもわかりません。努力で何とかなる世界とも少し違う、知識で補えることでもない、何もしないでもいい、何もしないでもいいというわけではない…人が作り出す世界は深く高く遠く近い世界だと漠然と感じます。

道具もシンプル・簡素さを突き詰めていった先にある機能美は芸術的でもあります。だがシンプルゆえに難しくなかなか真似できず一つと同じものがない。

芸術と言えば、音楽は人間の作る芸術の最高の物のひとつだと思います。

この音楽を通して人間教育をするということに眼を向け、スズキ・メソードを作られた鈴木先生の想いは今では著書や映像、鈴木先生に直に触れた先輩先生方を通してでしか感じることができませんが、その世界に携わることで自分の分かった範囲でしかわかりませんが伝えていくことが今の自分のやるべきことだと実感しています。

前置きが長くなりました。

先日、私が所属するスズキ・メソードの西名古屋支部で定例の連絡会がありました。その際の指導者と父母のための勉強会で鈴木鎮一先生の著書から抜粋したヴァイオリンのおけいことその内容について掲載します。内容は1957年に描かれたものですのでかなり古いですが、今現在にも通じることだと思います(レコードはCDと置き換えてお読みください)。お稽古をヴァイオリン以外のことに置き換えてみても面白いかもしれません。

会員ページにもう一つの資料を掲載しておきます。「支部会 研究会資料~」ページをご覧ください。

大人のスズキ・メソード

また更新が遅れてしまいました…。

少し前の出来事ですが、先月末に名古屋でスズキメソードOB・OGのための「楽器を持って集まろう会in名古屋」が開催されました。

幼少期にスズキで育った方々が大人になり、各々仕事をこなしながら年月がたっても、いざ楽器を持って皆で合奏するときには過去の曲が思い出されて自然と弾けてしまう。

また大人になってから楽器を手にされた方も、日々音楽に向き合い練習し、弾ける曲が増える喜びと、皆で弾きあう楽しさで人生が豊かになる。

音楽の力は無限であり、携わる人もそうでない人もそれぞれに恩恵を受けながら心のよりどころとなっていると感じます。

詳細は以下からご覧ください。

スズキ・メソードOB・OG会

 

また、当クラスでも大人の方の生徒を募集しております。

ヴァイオリン、ヴィオラどちらもレッスン可能です。

お気軽にお問合せフォームよりお尋ねください。

世界が賞賛の音楽教育法「スズキ・メソード」とは?

もう12月、あとひと月後には新年を迎えます。

何かとあわただしいこの時期、年末に向かって皆さま体調など気を付けてお過ごしください。

さて、今回の記事は前回の鈴木鎮一著「愛に生きる」のベルリン時代から日本に戻り、その後どのようにスズキ・メソードが広まり世界に発展していったかを記した内容を教えていただき、そちらを掲載いたします。

世界から見たスズキ・メソードは当時とてもセンセーショナルで、現在でもこのメソードによって多くの生徒が学んでいます。

私が指導者となるべく松本音楽院に通っていたのは2003年ごろ、鈴木先生がご存命のころのような海外からの留学生は多くありませんでしたが、少人数ながら中国や韓国、アメリカからの生徒も一緒に学んでおり国際色豊かな学校でした。また海外の松本で学ばれた指導者たちも懐かしい地を訪ねてくることもしばしばありました。

NewSphere記事リンク

記事を一読されればと思いますが、日本の封建的な考えや教育制度によって日本ではあまりスズキの認知度は高くありません。しかしこれは江戸時代の寺子屋のような小さい子も大きい子も皆で一つの部屋で学び育っていくという日本古来の教育システムが含まれています。今でいうフィンランド教育のような形です。

今後どのようになっていくかはわかりませんが、もう一度過去の経緯と内容を理解し、現在においてスズキ・メソードを広められるよう尽力していきます。