スズキ・メソード創始者の鈴木鎮一先生は音楽も人間も高いところにいる方だなとようやく最近実感してきました。失礼ながら以前はユーモアと気品のある素敵なおじい様と言う感じを持っていたのですが(本当に失礼ですが)、鈴木先生のことを知れば知るほど、スズキ・メソードに関わるほど言葉では言い尽くせない深さを実感します。またその奥深さゆえ途方なさを感じるが、近くに答えがあったり、一人で悩んでいても同じスズキの仲間に支えられて、時には苦しく、時には嬉しく楽しく、人間という生命をより実感している現在です。
聖書やブッダの言葉もシンプルが故に解釈の自由度とそれを受けとる人間的高さが必要なように、その高みに至るまでにはその高みを感じる所まで登らないといけないということに気づきました。と言ってもまだまだ山頂(雲に隠れて見えない)は先ですし、どれぐらいあるのかもわかりません。努力で何とかなる世界とも少し違う、知識で補えることでもない、何もしないでもいい、何もしないでもいいというわけではない…人が作り出す世界は深く高く遠く近い世界だと漠然と感じます。
道具もシンプル・簡素さを突き詰めていった先にある機能美は芸術的でもあります。だがシンプルゆえに難しくなかなか真似できず一つと同じものがない。
芸術と言えば、音楽は人間の作る芸術の最高の物のひとつだと思います。
この音楽を通して人間教育をするということに眼を向け、スズキ・メソードを作られた鈴木先生の想いは今では著書や映像、鈴木先生に直に触れた先輩先生方を通してでしか感じることができませんが、その世界に携わることで自分の分かった範囲でしかわかりませんが伝えていくことが今の自分のやるべきことだと実感しています。
前置きが長くなりました。
先日、私が所属するスズキ・メソードの西名古屋支部で定例の連絡会がありました。その際の指導者と父母のための勉強会で鈴木鎮一先生の著書から抜粋したヴァイオリンのおけいことその内容について掲載します。内容は1957年に描かれたものですのでかなり古いですが、今現在にも通じることだと思います(レコードはCDと置き換えてお読みください)。お稽古をヴァイオリン以外のことに置き換えてみても面白いかもしれません。
会員ページにもう一つの資料を掲載しておきます。「支部会 研究会資料~」ページをご覧ください。