西名古屋支部 卒業コンサート報告

 春の声が聞こえ始め、だいぶ暖かくなってきました。桜の開花宣言がされ、花見が待ち遠しいです。

 さて、先日の3月21日は西名古屋支部の卒業コンサートが、栄の中心からほど近い中電ホールという場所で、約60名の録音をした生徒たちの各曲の演奏と弦楽伴奏によるコンチェルト、そして今年は録音を取らなかった生徒たちも一緒に総勢100名以上の合奏で、ホール一杯音の波でお聴きくださった方々を包み込みました。

 卒業コンサートといってもヴァイオリンを卒業というわけではなく、前年の11月末までに教本の中の課題曲を録音提出し、この日のコンサートに向けてより一層上達するよう同じ曲をお稽古し、演奏後に録音の合格証書「卒業証書」を受け取ります。
 壇上で証書を受け取る子供たちの顔は少し恥ずかしそうですが誇らしげで、渡す指導者もその顔が嬉しくて誇りに思います。

 今年はまだ楽器を持たない/持ち始めたばかりのリズム生徒が多く、多少ステージに出てくるのに時間がかかったりお客さんに向かって手を振ってみたりほほえましい場面も多かったですが、皆一生懸命ピアノ伴奏でタカタカタッタを演奏し、その後は一茶の俳句の唱和を行い演奏後のお辞儀をし、ステージから降りてご両親のもとに戻った時の満足そうな顔を見て、こちらもほっと一安心でした。
 お子さんによっては初めての晴れ舞台を経験し、またそのご両親もその姿を目の当たりにし、これからスズキで育っていく一つのステップを経験した瞬間を共有しました。

 その後はきらきら星の生徒や巻数が進んだ生徒の演奏が続き、この日の目玉の一つである才能教育課程のモーツァルト作曲 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 第1楽章をオーケストラをバックに演奏し、スズキで育っていく子供たちのステップを一から目にすることができるコンサートでした。

 皆、幼少(中には大人も)より毎日お稽古を積み重ね大きくなり、いずれ社会人になるその時にはヴァイオリンを通して育った能力が社会で通用する能力として育っています。
 子どもたちは、音楽が持つ力、大作曲家の感性や理念、世界的奏者の人と成り、それらを純粋に聴くという形で受け取り育ち、そしてスズキ特有の合奏という人間関係(大きい子も小さい子も)の中でお互いに影響しあい育っていく場を経験します。

 今年の卒業コンサートはそのようなことを強く感じた演奏会でした。次回はまた一年後、次の卒業コンサートでは皆のどんな顔が見られるか楽しみです。