名城公園 バラと室内楽アンサンブル

 10月20日(日)名城公園フラワープラザアトリウムにてスズキ・メソードの子供たちによるアンサンブルコンサートが行われました。この日は名古屋まつりの最終日、名古屋城を中心に名古屋ゆかりの武将による英傑行列や各イベントがそれぞれの場所で行われ、各地大賑わいだったようです。
 前日までの雨が打って変わってこの日は快晴で汗ばむ陽気となり、明るい陽射しのもとアトリウムの中は植物たちの緑と美しいバラの花々が色とりどり咲き乱れ、訪れた方々は気持ちよさそうに各々の時間を過ごしていました。

 我々の演奏は14時から、アトリウムの外で生徒の保護者がプログラムを配布してくれたおかげもあり会場は満席、たくさんの方々が子供たちの演奏に耳を傾けていました。今回はクラシックになじみのない方も楽しめるよう耳なじみのある曲を選び、またその曲ごとの説明を挟んで約1時間弱の演奏となりました。

 まず一曲目はアイネ クライネ ナハトムジーク、普段お聴きになるのは1楽章が多いと思いますが今回は全楽章演奏しました。この曲は普段部活や学業に忙しい中学生以上の生徒が中心となり、日々の生活の中でのお稽古はもとより、皆が集まる合奏レッスンの日に仲間とともにこの曲を仕上げてきました。

 「アンサンブル」というと音楽用語では「合奏」という意味になりますが、今回は花の展示やアトリウムの色とりどりの植物の中に音楽という音色が組み合わされ「調和」という意味を思い出しました。ちなみに演奏した団体名の「アンサンブル・ヴェルド」の「ヴェルド」はスペイン語の「Verde」で「緑の・若々しい」という意味です。後から気づきましたが今回の演奏に合っている名前だと思いました。

 続いて2曲目は皆さまおなじみのパッヘルベルのカノンです。カノンとは同じ旋律をずらして演奏する曲のことで、大雑把に言えば「カエルの歌」をイメージしてください。この曲からは小学生も交じり3パートに分かれ大所帯での演奏になりました。
 3曲目は再び上級生の演奏でプログラムの通り、こちらも有名な曲ですね。小学生は知らない子も多かったのが私としてはジェネレーションギャップを感じました。。。
 最後の曲は、まだお稽古を初めて1年の小さい生徒も交じり、スズキ・メソードではおなじみのきらきら星変奏曲を演奏しました。

 このご時世、一つのことを長く続けていくという気の長いもの・ことは敬遠される傾向にあるように感じます。そういう意味では音楽という習い事を選ぶのはなかなか勇気のいることだと思います。
 最初の動機は様々でしょうがヴァイオリンを習いたいということでスズキ・メソードに入会され、お母さんと一緒に日々のお稽古を繰り返し教室の中でお互いに育ちあう中で上級生となり、今回のような場で演奏の機会を経て彼ら自身得難い経験をすることができたと同時に、ステージで演奏する上級生の姿はそれを見る小さな子たちの目にどう映ったのでしょうか。またその保護者の方々も。

 ここで学ぶ子供たちの、人として幸せな未来を想像し日々レッスンをしていきたいと思います。

      *クラスの方々は会員ページより当日の写真がご覧いただけます。

夏の行事 その2

 夏期学校に続き夏の行事の定番といえば、、、そう、クラス合宿です。今年は8月11~12日とお盆の連休に犬山城のふもと、目の前に木曽川が広がる老舗旅館の犬山館で大野クラスと合同で合宿を行いました。
 合宿の醍醐味といえば?そう、一日中お稽古する!のもそうですが、クラスの生徒同士でお泊りができるということですね。年齢も小学生から高校生まで様々ななか、各部屋ごとにそれぞれ年の離れた生徒同士が泊まれるように組み、年齢が上の生徒には下の生徒の面倒を見るようお願いし、下の生徒は上の生徒を見習って?過ごすことが目的です。
 今年は少し趣向を凝らし、ただヴァイオリンの練習をするだけではなく「生活のお稽古」と題して挨拶や片付け、他人に優しくすることや食事やお風呂マナーなど身の回りのことができているか確認する項目を作りました。それぞれの項目に3つずつサインをする欄があり、一つは自身で、二つ目は上級生や親から、三つ目は先生です。すべてサインしてもらえた生徒はこの合宿でしかもらえないご褒美があります。このような当たり前にできてほしいことを強制ではなく本人に意識してもらいやすい形にし、皆で実行することが合宿での一つの大事なポイントになります。いろいろ観察していると自身や他人へそれぞれ影響し合っているの姿を見て、お互いに育ちあっているなあと感心しました。
 そしてこのような心の意識があるとお稽古も充実していたようです。初日お昼から始まった合宿は、全体グループレッスンに始まりクラス別レッスンに分かれ、夕食とお風呂を済ませ、リズムや1巻生徒は夜の8時過ぎには終了で各部屋に戻れるのですが、それ以外の生徒は9時までレッスンです。そして上級生で弦楽レッスンの生徒はその後もエンドレス…会場が夜12時まで使えるということもあり残って自主練習。すると部屋に戻っていたはずの1、2巻生徒たちも楽器をもって自主練習している上級生の部屋に戻ってきて各自でまた練習(もちろん親付き)…という姿が見られました。「人は環境の子なり」と鈴木先生がおっしゃったようにこの合宿ではこの合宿の環境のもと子供たちが育っていました。
 さて二日目に入り、皆前夜のお稽古と部屋での夜更かし?もありながら頑張って午前中のレッスンを終え、昼食後DVD鑑賞会を行いました。今では生の鈴木先生にお会いすることができませんが、普段お稽古しているCDを通してや写真で顔を見ている生徒も、映像で動いている鈴木先生は見たことがないので、この機会に見てみましょうということで「徹子の部屋」に出演した映像と夏期学校でレッスンしている鈴木先生を皆で一緒に鑑賞しました。もちろん保護者の方々も初めてという方が多かったです。
 鈴木先生からエネルギーをもらってからの成果発表会、皆この二日間という短い時間の中で一生懸命練習した成果を発表し、最後はお待ちかねの生活のお稽古の表彰式です。皆イキイキと最後まで楽しそうにこの合宿を終えることができたようでよかったと思います。
 来年もまた合宿が楽しみですね!?役員、お手伝いしてくださった保護者の皆さまありがとうございました。
 
合宿の写真は会員専用ページにて掲載中です。

夏の行事 その1

 毎年恒例の夏期学校が今年も松本で行われました。日本のみならず海外からの生徒さんも多く駆け付け、音の海に浸りながらの4日間を過ごしました。開会式にて早野会長の挨拶で「今年の夏期学校は68回目になります、最初の開催から今回の夏期学校まで毎回出席された方、手を挙げて!」と会場に問いかけると、、、さすがに会場からは手が上がりませんでしたが、壇上の指導者の中から手が上がり、なんと御年91歳の先生が初回から参加されており会場中盛大な拍手が起きました。
 第一回目の開催は1951年8月に長野県霧ケ峰高原にて 指導者11名と生徒109名による開催でした。それから毎年回を重ねるごとに人数も増え1971年には1000名を超える参加者で各レッスン会場に入りきることができず前半と後半の2回に分けての開催となりました。
 
 この4日間の内容は、各曲に分かれて教室別レッスン、グループレッスン、弦楽レッスン、午後のコンサート、夜のコンサート(ゲストコンサートと選出者による生徒の演奏)、そしてお別れコンサートです。その合間に松本の観光も少し楽しみながら。。。

 多くの生徒が奏でる音の海の中に浸った4日間はあっという間に過ぎて、最後のお別れコンサートを迎え、各々のクラスで学んだ曲を合奏で精一杯弾ききり、最後のきらきら星で締めくくられます。生徒たちはこの夏期学校で受け取った「音」のお土産を持ち帰り普段の生活に戻ります。
 
 さて、この夏期学校は生徒たちが主役ですが、そこに連れてくる親たち、そして指導する先生方ももちろん、何より忘れてならないのはレッスン等がスムーズに進行できるのは裏方あってのことです。毎回甲信地区の先生方が主となりレッスン会場や教室の設営、事前の配布物の準備、コンサートの進行など多岐にわたる内容で支えてくださっています。

 スズキは生徒・親・指導者の三者が一体となって共に育ちあいます。「どの子も育つ」という目標の元、生徒同士、親同士、指導者同士それぞれ影響し合い、皆が共に育ち育てあいながら学んでいけるスズキの環境をこれからも楽しみながら続けていきたいと思います。

 夏期学校期間中の写真はMonthry Suzuki8月号に掲載されていますのでそちらをご覧ください。

合奏会のお知らせ

6月16日(日) 伊藤クラス合奏会

場所 稲沢市民会館 練習室4
時間 10:00 アンサンブル・ヴェルド
   13:30 全員合奏(リズムも)
   17:00 終了

7月28日(日) 伊藤・大野クラス合奏会

場所 稲沢市民会館 和室
時間 10:00 アンサンブル・ヴェルド
   13:30 全員合奏(リズムも)
   17:00 終了

*一般の方の見学はお問い合わせください。

全国指導者研究会

 6月3日~6日にかけ、長野県松本市のまつもと市民芸術館主ホールにて行われました。全国の各楽器科指導者が一堂に会し、共通のテーマを基に研究発表しあい、各科教授の講義と基調講演を聴き各自の指導の核となる部分をあらためて確認しました。 鈴木先生が眠る松本という土地柄、山々に囲まれた美しい自然を間近に感じながらの研究会で、日々のレッスンに向かうエネルギーを蓄えてきました。

 研究会プログラムの中で特に印象的だったのが基調講演の土屋秀宇(ひでお)さんの講演でした。鈴木先生著書の「愛に生きる」と出会い、自身が携わっている幼児教育プログラムへ強く影響したとおっしゃっていました。
 講演の中で我々も常に意識している内容で、昨今日本が抱える問題の一つでもある子供たちの発達障害、ADHD、自閉症、学習障害増加について、1965年当時で1/10000人だったのが2015年では1/15人という診断結果が出ている、しかし発展途上国ではとても少ない、、、なぜか。教員人生で出会ったそのような子供たちがなぜそうなってしまっているのかということを科学的に、そして自身の研究の日本語・言葉がどのような影響を与えているかをお話しくださいました。

 また、本会会長である早野龍五会長と東京大学大学院総合文化研究科教授の酒井邦嘉先生、本会フルート科教授でもあり神経科学研究に携わった日本における”脳”の方々による鼎談(ていだん)にて、スズキが科学的に証明されている最前線を知ることができました。「音楽教育と脳科学」と題して幼少期よりスズキで楽器に触れ高校まで続けている生徒たちとスズキ以外で続けている生徒、そして10歳以降に始めた生徒による3つのグループに分けたMRIによる脳の反応のデータを講義くださいました。それによると一目瞭然の結果があり、詳しくは省きますがスズキで幼少期から続けた場合の脳に大きな違いがありました。「言語脳科学」と「音楽」には密接した関連があるそうで、そのことについても詳しく説明いただきました。これについては機関誌第200号より連載中の 「脳と才能」 をお読みください。

 鈴木鎮一先生がスズキ・メソードを提唱されてはや70年以上が経ちました。時代を先取りしていたスズキは各分野の科学の進歩とともにようやく証明されようとしています。なぜ音楽なのか、なぜ幼少期(胎児も含む)なのか、そしてその周りの環境がなぜ大切なのか。
 私も耳にしたことがあるのですが「スズキは宗教のようだね」という言葉に対し、鼎談の面々は口をそろえて「スズキは科学です」と答えていました。
 上記の講演を聴き、母語教育法がいかに自然であるか、そして全世界の共通の言語である音楽を取り入れたスズキ・メソードがいかに人間育成にかかわっているか。鈴木先生はまさに慧眼だったと強く感じました。

徳行寺報恩講演奏 & 高校生コンサート

 満開だった桜も葉が開き始め、野の多種多様な草花が賑やかなこの時期に、毎年一宮市にある徳行寺さんで報恩講が開かれます。お釈迦様の誕生を祝う徳行寺さんの報恩講はいつも快晴で、4月20日のこの日も過ごしやすい陽気で絶好の演奏日和(お堂の中ですが窓は開放)でした。
 午前中に練習とピアノをつけてのリハーサルを終え、午後から徳行寺さんで演奏、、、の前に、皆でお経を読み、甘茶をお釈迦様にかけてお祈りしたのち演奏スタートです。
 伊藤クラスと大野クラスで学ぶ子供から大人まで20名以上で様々な曲を弾き、お越しになった方とお釈迦様に演奏の花を捧げました。


 その後はお菓子をもらい、浄土真宗のお寺の住職さん方による人形劇が行われ、演奏を終えた子供たちもお客さんたちに混じり劇に見入っていました。毎年お釈迦様の話を中心に趣向を凝らした物語を分かりやすく伝えてくださり、その中でも出てくるキャラクター(動物たち)がイキイキとしており、時に面白く、時に迫真の演技で小さい子は少し怖がりながらも、物語を通して生きるということについてを自然に伝えてくれました。また来年、楽しみです。

 

 続いて4月21日に熱田文化小劇場で行われた「高校生と大学生によるコンサート」です。
この日演奏した生徒たちは、スズキでリズムから始まり、それぞれのおけいこの歴史を背負いここまで立派に育ちました。
 一つのことを長く続けるというのは並大抵のことではなく、始めた当初はここまで続くとは想像もしていなかったと思います。そして続けているうちに途中挫折しそうになったこともあるでしょうし、たまたまここまで続けることができたという運もあったかもしれません。勿論、ここまで支えたご両親や指導者、クラスの仲間たちの力があってのことでもあります。
 この日この舞台で演奏する一人一人の姿はそれぞれの歴史が詰まった姿だと思いました。この演奏会はそれぞれの将来への一つのステップであり、ここからまたそれぞれの歴史が始まります。
 彼らが培ってきたその歴史を基に行く先は、様々な困難あれど乗り越え、立派に自身の信ずる道へ進んでいくと思います。
 鈴木先生が「一人の文化人の門出を祝いて」という文章を残しています、芸術を通して育つ人間の高さを胸に巣立つ彼らの将来が楽しみです。

*クラスの皆様、当日の写真は会員ページをご覧ください。

ブライアン・ルイス ミュージックキャンプ 2019

 今年も4月1日~3日の3日間に渡り兵庫県淡路島にてブライアン・ルイス先生をお呼びしてミュージックキャンプが行われました。*ブライアン・ルイス先生の経歴は過去記事(こちら)を。

 4月ということもありポカポカ陽気かと思いきやまだまだ寒さが残っており、淡路島の桜も3分咲きほど、吹く風も冷たく厚着を用意しておいてよかったと思いました。

 さてキャンプ初日、今年は南は九州~北は関東、初歩から研究科卒業以上の総勢80名の生徒が集まり賑やかに始まりました。ブライアン先生は時差の関係で少しお疲れの様子もありましたがレッスンが始まるといつもの元気な楽しい姿に変わり、今年もキャンプが始まったな~と感慨深かったです。

 ブライアンキャンプのすごいところはたった3日間という短い期間で子供たちの演奏がみるみる変わることです。ブライアン先生は幼少のころ母に連れられて幾度かアメリカから松本に訪れ鈴木先生のレッスンを受けたそうです。その時の鈴木先生の人柄や雰囲気を肌で感じ、それを今の子供たちにブライアン先生を通して伝えてくださっています。多くの日本の先生がブライアン先生から鈴木先生を感じるというのはこの影響があったからだと思います。もちろんそこには人種の違いと文化の違いはあり微妙に伝えるニュアンスが違いますが、本質は同じです。

 全体の合奏ではきらきら星しか弾けない子から上級生まで一緒にレッスンを受けますが、上級生の曲で基本となるリズムや運休はきらきら星に変換して小さな生徒も一緒にレッスンを受けられるよう工夫しています。まだ1巻の生徒も上級生の演奏を間近で聴くことでいずれ弾けるようになるという想像ができ、そして何度も生演奏をきくことで曲を覚えることができます。

 合奏の後は曲目別(レベル別)レッスンで各部屋に分かれて講師の先生方からもっと綿密なレッスンを受けます。レベルが近い子供たち同士お互いの演奏を聴きあい、そして細やかな内容で課題曲の一曲一曲を丁寧に仕上げていきます。

 そんな音楽漬けの3日間もあっという間に終わり、最後は成果発表会、キャンプで学んだ内容をコンサート形式で発表します。緊張もありますが皆学んだ内容を発表し、演奏し終わった後の全体写真撮影の時の晴れ晴れした顔が印象的でした。

 さて、3日間皆で同じ屋根の下同じ釜の飯を食う者、気の合う者同士仲良くなり必然的に友達となります。その中でも大きい子が小さい子の面倒を見たりスズキならではの一つの大家族のような光景が見られました。小学生高学年以上の生徒は親同伴でなくてもよいので、この期間親元離れて自立した生活を行うことにより、ひとつ大切な経験ができたと思います。

 来年も日時は未定ですが開催されることに決まりました。上記のような経験は普段ではなかなか得られない経験です。興味が出た方、次回は行こうと思っている方、まだ迷っている方、ぜひ参加してみてください。
 余談ですが、素敵なロケーションの温泉とおいしい朝ごはんも待っています!

海を見ながら…誰でしょう?
淡路島名産玉ねぎ畑

 

コンサート案内

 4月21日(日)熱田文化小劇場
 会場13:00 開演13:30 入場無料(小さなお子様もご覧になられます)
「スズキ・メソードで育った高校生・大学生によるヴァイオリン&チェロ コンサート」

 先日の西名古屋支部卒業コンサートでの記事の中のリズムから始まり、ずっとヴァイオリンをお稽古して育った生徒たちの晴れ舞台となります。

 一つのことをずっと続ける、これは並大抵のことではありません。

 この日演奏する生徒たちは楽器を始めた当初はこのような舞台で演奏することは微塵も思っていなかったでしょう。そしてここまで育つのに紆余曲折あったでしょう。ですが、この日この生徒たちはこのような大曲を演奏します。これは一つのことをずっと続けた結果です。ですが彼らはこの日のこの演奏で終わりではありません。この演奏も一つの通過点でその先は未来に続いています。

 ヴァイオリンを、そして音楽を通して育った能力をもって進むこの生徒たちにはどんな未来が待っているでしょうか。我々スズキの指導者は彼らの未来に「人として立派な社会人の姿」を見ます。当日の演奏も未来の姿も楽しみです。

*伊藤クラスの皆様、今後の合奏予定を更新しました。

西名古屋支部 卒業コンサート報告

 春の声が聞こえ始め、だいぶ暖かくなってきました。桜の開花宣言がされ、花見が待ち遠しいです。

 さて、先日の3月21日は西名古屋支部の卒業コンサートが、栄の中心からほど近い中電ホールという場所で、約60名の録音をした生徒たちの各曲の演奏と弦楽伴奏によるコンチェルト、そして今年は録音を取らなかった生徒たちも一緒に総勢100名以上の合奏で、ホール一杯音の波でお聴きくださった方々を包み込みました。

 卒業コンサートといってもヴァイオリンを卒業というわけではなく、前年の11月末までに教本の中の課題曲を録音提出し、この日のコンサートに向けてより一層上達するよう同じ曲をお稽古し、演奏後に録音の合格証書「卒業証書」を受け取ります。
 壇上で証書を受け取る子供たちの顔は少し恥ずかしそうですが誇らしげで、渡す指導者もその顔が嬉しくて誇りに思います。

 今年はまだ楽器を持たない/持ち始めたばかりのリズム生徒が多く、多少ステージに出てくるのに時間がかかったりお客さんに向かって手を振ってみたりほほえましい場面も多かったですが、皆一生懸命ピアノ伴奏でタカタカタッタを演奏し、その後は一茶の俳句の唱和を行い演奏後のお辞儀をし、ステージから降りてご両親のもとに戻った時の満足そうな顔を見て、こちらもほっと一安心でした。
 お子さんによっては初めての晴れ舞台を経験し、またそのご両親もその姿を目の当たりにし、これからスズキで育っていく一つのステップを経験した瞬間を共有しました。

 その後はきらきら星の生徒や巻数が進んだ生徒の演奏が続き、この日の目玉の一つである才能教育課程のモーツァルト作曲 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 第1楽章をオーケストラをバックに演奏し、スズキで育っていく子供たちのステップを一から目にすることができるコンサートでした。

 皆、幼少(中には大人も)より毎日お稽古を積み重ね大きくなり、いずれ社会人になるその時にはヴァイオリンを通して育った能力が社会で通用する能力として育っています。
 子どもたちは、音楽が持つ力、大作曲家の感性や理念、世界的奏者の人と成り、それらを純粋に聴くという形で受け取り育ち、そしてスズキ特有の合奏という人間関係(大きい子も小さい子も)の中でお互いに影響しあい育っていく場を経験します。

 今年の卒業コンサートはそのようなことを強く感じた演奏会でした。次回はまた一年後、次の卒業コンサートでは皆のどんな顔が見られるか楽しみです。