大府市に本社がある鈴木バイオリン製造株式会社にて土曜日13:00~教室を開設しました。
詳細は「教室案内・月謝について」ページからご覧ください。
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第27回 東海地区グランドコンサート開催!
スズキ・メソード東海地区では8年ぶりとなる第27回 東海地区グランドコンサートを2025年5月6日(火祝)東海市芸術劇場にて開催します。
コロナ渦を経てようやく大きな集まりが可能となった昨年、スズキの各教室では合奏はじめ教室コンサートやイベントが行われるようになりました。しかしまだまだ大きなイベントは開催が難しく、また4年という空白期間は子供たちはじめ我々指導者も体が忘れてしまうには十分な期間でした。
しかし過去何度も続いてきたこの東海グランドコンサートの火が消えてしまうのはあまりにも悲しい、またこのイベントを今の子供たちにも体験してもらいたいという指導者とOBの強い思いから開催が決定しました。
開催に決定にあたり大人数を収容できるコンサートホールの選定に始まり、練習会場の確保、広報や協賛のお願いなどなど、やらなければならないことは山積みですが、走り出したらあとは開催に向けて走るのみ!の勢いで準備しております。
すでに第一回目の練習会は終わり、次回は2/11の全体練習会と4/27(上級生のみ)のみとなりました。コンサートを終えて子供たちが楽しかった、良かったと思ってもらえるようなコンサートになるよう頑張ります。
なお今回のコンサートは東海地区で学んだスズキOB・OGも参加可能です。記載の添付資料をお読みになりご連絡いただければ、4/27の練習(弦楽のみ)と当日午前中の全体練習を経て本番での演奏参加可能です。よろしければご参加ください。
( こちらをクリック→)インスタでも情報発信しています!

第26回のプログラムを掲載します。過去の東海グランドコンサートの写真も載っているので参考までにご覧ください。
クラスコンサートとその後のイベント
10月13日に伊藤クラスコンサートが西文化小劇場で行われました。
当日は出演生徒の親族や友達など多くのお客さんにお越しいただき盛況に終わりました。
また、生徒たち一人一人がこのコンサートに向け各々の目標に取り組み、当日の演奏では一番良い演奏ができたと思います。そしてコンサート後のレッスンではみな一段と成長を感じられ、あらためてコンサートの力はすごいと感じました。



続いて大府市で行われたイベントの報告です。




10月20日(日)に大府市緑公園で行われた「おおぶ野外クラシックコンサート2024」に生徒たちと出演させていただきました。
今回で3回目となるこの催し、私は毎年スズキカルテットとしてヴィオラで参加していますがそれとは別に、生徒たちも演奏で参加させていただいています。
前日は雨が降り当日の天気が危ぶまれましたが、イベント当日は快晴で気持ちの良い気候で出演した皆さんは気持ちよく演奏し、そして来場くださったお客さんはゆったりと思い思いの時間を過ごされていました。
その模様はこちらからご覧ください
10月27日(日)は大府市内のお寺「延命寺」さんにて演奏させていただきました。




「延命寺フェス」と題して行われたイベントで、演奏として参加させていただきました。
当日は穏やかな天気で絶好の演奏日和、お寺の本堂の窓を開け切って外の空気を感じながら子供たちはのびのびと演奏していました。
キッチンカーや出店などもあり、みな楽しそうにいろいろなお店を見て回ったり鬼ごっこしたりと楽しそうでした。
まだまだ今年も12月にイベントが続きます。
伊藤クラスコンサート 2024
夏の思い出24’
投稿が滞っており失礼しました。




夏本番!7月、8月といえば合宿やお泊り会!
ということでスズキ・メソード毎年恒例の夏期学校が7月27日~31日に長野県松本市の才能教育会館周辺施設で行われました。
昨年まではオンラインと現地参加のハイブリッドでしたが、今年からは現地参加のみで行われ、コロナ前の形態に戻り開催されました。
参加者生徒は会場のキャパの都合から400人ほどとコロナ前に比べると少なかったですが、まつもと市民芸術館の主ホールステージには乗り切れないほどの生徒で、最後のお別れコンサートでは客席とステージ両方で演奏し音の洪水に会場全体がのまれて、まるで音であふれる海の中にいるようでした。
夏期学校では全体の練習や発表のほかに、教本のレベルごとに分かれ各クラスでグループレッスンを受けたり、午後から行われるコンサートでは各地域から応募した生徒のソロ演奏のほか、アンサンブル演奏など多種多様の発表がお行われ、中でも審査に通った生徒の演奏はとてもレベルが高く、演奏技術もさることながらそれぞれの「音」がとても美しかった印象でした。
夜には特別講師としてお招きしたVn竹澤恭子さん、Pf東誠三さん、Vn江口有香さん、Vc山本裕康さん、Fl宮前丈明さんによる演奏は、さすがプロの演奏ということもあり感無量でした。特別講師のみなさんもスズキ出身ということもあり、今回参加した生徒たちにどのように映ったかはわかりませんが、道を究める先の姿を目の前にでき何か感じたことと思います。
私は教室別レッスンの指導者として参加し、現地で出会った各地域の生徒と触れ合いながら同じクラスの先生と一緒に指導しました。ベテラン先生の指導は学ぶことばかりでした。
夏期学校後は恒例の鈴木先生のお墓参り、今年も無事終えることができたことを報告しました。空は突き抜けるような青さでした。
あ、そういえば泊まったホテルの近くの空き地でシカを発見!迷いシカだったようで皆が見物していました。次の日にはいなくなっていました。







さて、一週間も経たないうちに次はクラスの合宿です。尾張支部の行事としてそこに所属する私のクラスともう一クラスでの合同開催、総勢40名以上の生徒が参加しました。
両クラスの宿泊希望とお宿のキャパを考えお宿の選考に始まり、今年は知多の柏屋旅館さんを使用させていただきました。
お宿を貸し切りにしてもらい総勢60名の宿泊者も何とか収まり、下は1歳から上は74歳までわいわいがやがやとにぎやかな合宿が行われました。
一泊二日の行程で、短い時間ながらも濃い内容を共有しました。合宿といえばもちろんヴァイオリンの練習漬けなので、集合した日の13時から翌日15時までみっちりお稽古しました。
全体の練習に始まり、各グループに分かれてレベル別レッスン、まだ始めたばかりの子もしっかりとリズムのレッスンを行い、そして大きな子たちのレッスンを見学し共に学びあいます。
そんな濃い内容でもちゃんと息抜きの時間があり、おやつタイムや夜の花火大会、お別れ発表会前のクイズ大会、もちろん一緒に泊まる仲間との楽しい時間…などなど。合宿役員さんによる采配の元、スムーズに進行できケガもなく無事終えることができました。
が、我々指導者はくたくたです…。
さて、夏休みもあと半分でしょうか。合宿後はお盆に入りそれぞれ思い思いの時間を過ごしていることと思います。残りのお休みを楽しく過ごし、たくさんお稽古して、そしてこの夏に成長した皆さんの集大成は10月に行われるクラスコンサート!どんな演奏が聴けるか楽しみにしています。
スズキ・メソード尾張 卒業記念コンサート
4月7日 名古屋市港文化小劇場にて 13:00開演 *開催されました


尾張支部が発足して2回目の卒業式を迎えることができました。
今年も伊藤クラス大野クラス合わせて11名の卒業生がそれぞれソロで演奏し、卒業証書授与、最後に全生徒の斉奏でコンサートを締めくくりました。
今年度は卒業演奏を迎えなかった生徒も来年度はステージに立つことを胸にそれぞれの階段を上ってください。
卒業制度とは、教本の中の節目の曲を録音し、本部に提出し担当の指導者に聞いていただきコメントをもらい、年度末の支部卒業式にて証書を受け取るというものです。
節目の曲は録音するにあたり立派に演奏できるようお稽古を重ねます。その過程が子供たちの能力づくりとなり、次のステップに進む礎となります。
支部の行事は卒業式とその後の総会を経て、年度の締めくくりとなります。
支部行事のご案内と年初のあいさつ
あけましておめでとうございます。2024年がスタートしました。
我々が所属するスズキ・メソード尾張支部(厳密には支部というくくりではなく個人の先生が集まったグループ)では、個人のクラス行事のほかに支部行事として年間に4~5回(4月の年度始まりから次の年の3月の年度末まで)行事を行っています。
その中の一つに5月と10月の半田運動公園野外ステージでのピクニック合奏会。午前中からお昼にかけて行われる屋根付き野外ステージでの合奏会で、青い芝生と空に向かって思いっきり演奏します(3年続けていますが一度も雨で中止となったことはない!)。子供たちも大人も屋外の空気の元、のびのびと楽しい時間を共有し、合奏後はみんなでビニールシートを敷いてお弁当タイム!思い思いにご飯を食べお弁当を交換しお菓子尾も楽しみ、そしてその後は運動公園内のアスレチック公園で全力で遊びます。先生も駆り出されます。とっても辛…楽しい時間です。


そして大きなイベントの一つに8月の支部合奏会が行われます。本会スズキ・メソードでも長野県松本市にて夏期学校という全国から生徒たちが集まり合奏やクラス別レッスンを行うイベントがありますが、支部でも同じように合宿を行います。
昨年は大府愛三文化会館にて一泊二日の合宿を行いました。3歳から大人(73歳!)まで一緒に2日間過ごし同じご飯を食べともにお稽古をします。
夜は大人のための懇親会という名の飲み会が行われ、指導者によるおもしろ過去話で親睦を深めます。もちろんスズキに関する大切なお話を含めてです。


年末のお楽しみとしてクリスマス合奏会を12月に行っています。この合奏会では午前中は上級生のアンサンブル、午後から全員合奏で楽しくおけいこをし、おけいこ後はプレゼント交換会(ビンゴ大会)が行われます。そして毎回先生たちによる特別プレゼント(手作りケーキやパン)が用意され、もらった生徒(特に親)は大変喜んでいます。


そして年明けには恒例の教本マラソン、1巻最初の曲のキラキラ星からスタートし自分が弾ける曲までを延々弾き続けるという合奏会です。上級生になればなるほど弾ける曲が増えるので大変ですが、弾き終えた後の顔はみな晴れ晴れとしています。先生ももちろん最後まで付き合いますよ!(次の日つらい…)


そして年度末の3月または4月には、卒業記念コンサートが行われます。卒業記念といっても支部やバイオリンを卒業するわけではなく、教本を進めていくうちに節目のところで特定の曲を録音し本部に提出し評価をもらうというシステムがスズキ・メソードにはあり、それを卒業録音とよんでいます。
その卒業録音を昨年の12月までに行った生徒が発表する場として年度末に卒業コンサートを設けており、また卒業録音をしていない生徒も次回は録音をとれるようにという意欲づくりも含まれます。
このコンサートではお互いに称えあい、そして指導者にとっても生徒たちの一年間の成長を実感する場でもあります。

以上が支部行事の内容ですが、そのほかにももちろんクラスの行事であるクラスコンサートや合奏会、そして本会のイベントや他地区の有志の指導者による合宿など様々なイベントを行っており、その主役はいつでも子供たちであり、我々指導者は子供たちが生き生きと活躍し成長できる道しるべとなり手助けをする存在です。我々指導者も過去には子供たちと同じようにスズキ・メソードで育ちました。



この道を絶やすことなく次の世代につなげていくことが使命と感じ、今後も邁進してまいります。
夏の思い出(スズキの行事とクラス行事と自分のこと)
今年7月28日(金)~31日(月)の期間、長野県松本市まつもと市民芸術館にてスズキ・メソードが主催する夏期学校が4年ぶりに対面開催されました。
今年で72回目を迎えた夏期学校は、コロナの制限もだいぶ解除されたとはいえ、やはりまだ規模を縮小せざるを得ず現地では人数制限を設け、現地に参加しない・できない生徒のためにzoom参加も併設し開催されました。
私も指導者としてずっと対面で参加できることを待ち望んでいたので、現地参加をし直接肌で松本の夏期学校を感じてきました。
やはり大勢の子供たちの奏でる音の渦を肌で感じることは何にも代えがたいとても大切で貴重な体験だとしみじみ感じました。ステージ上に並んだ小さな子たちが一生懸命弾く音のエネルギー、上級生たちの繊細な音使いや音色、そしてコンサートに出演した子供たちの輝かしい演奏、どれもこれもとても大切なものをみなと共有できた時間でした。
来年もぜひ現地で参加できることを願って毎日のレッスンに向き合います。
詳しくはスズキ・メソードホームページのマンスリースズキにてご覧ください。




さて夏期学校が終わったのもつかの間に行われた尾張支部合同合宿、今年も昨年同様に大府市愛三文化会館にて8月6日(日)、7日(月)の2日間行われました。
昨年に引き続きということでコロナ対策をきちんとしたうえで皆が気持ちよく過ごせるようお互いに配慮しあい、だけどたくさんお稽古して楽しく過ごす2日間となりました。
お稽古はもちろんしっかり朝から晩まで、その後は各部屋で大きい子も小さい子も一緒になってお泊り、次の日も朝からしっかりおけいこ、でもちょっと眠そう…昨日の夜は少し夜更かししちゃったかな?
午後からはお楽しみ会にてチームに分かれてゲーム大会!今年も伊藤先生組と大野先生組に分かれて対抗試合!勝者は…伊藤先生チームでした!やったね。
一番盛り上がったゲームは出題された一茶の俳句を絵を書いて皆に伝えるゲーム、先生たちの面白おかしい?絵に子供たち大爆笑と大盛り上がり!先生はちょっと恥ずかしいんだけどね。
ゲームの後は最後のプログラム、成果発表演奏。それぞれ少し緊張した面持ちでこの2日間で学んだことやたくさんお稽古して上手になったこと、心を込めて演奏していました。
子供たちの最後の曲の演奏が終わり、我々指導者もこの合宿を通して子供たちがまた成長したことを実感しちょっと感動、顔には出しませんが。
来年も今年のような合宿ができることを願い解散となりました。




最後に、夏の行事が終わっての締めくくりは個人的な話しで終わります。
こちらも4年ぶりに参加したのですが、コロナ前まではほぼ毎年上っていた燕岳登山と燕山荘での演奏会に今年は参加できました。
4年ぶりの山登り、なまった体はちゃんということを聞いて登頂できるのだろうかという不安はありましたが、燕山荘ガイドの方と皆の楽しい会話で無事燕山荘に到着することができました。
燕山荘では2020年コロナが蔓延し始めた年の山荘のオープンは行わず、2021年になってようやく人数制限と徹底した感染対策で山荘の開業を行い、またその年の演奏会もディナーショウ形式で少人数にて行われました。2022年も同様に少し人数制限を緩和して行いました。この間の演奏者は県をまたいでの感染を防ぐために長野県在住者で演奏していました。
今年に入りようやく規制も緩和され、私も登れることができるようになり4年ぶりの参加となりました。山の美しさと新鮮な空気に心身ともにリフレッシュでき、次なる仕事に向かう準備ができました。
燕山荘での演奏など詳しくは燕山荘ブログ(赤沼オーナー)をご覧ください。




「テラコヤプラス『名古屋のバイオリン教室おすすめ41選【2023年】』」にて紹介されました。
テラコヤプラスにて紹介されました。
・「記事タイトル」への記事のリンク
https://terakoya.ameba.jp/a000003010/
・テラコヤプラスのTOPページへのリンク
https://terakoya.ameba.jp/
鈴木 鎮一 著書「幼児の才能教育」より
私のバイオリンの指導
まず、お母さんが子供を連れてバイオリンを習わせたいとやってきます。その時、私たち指導者は、お母さんに才能教育の本を読んでもらって、お母さんによく理解していただきます。
すぐには子供のレッスンを始めません。まずお母さんに家庭での良い助手になってもらうために、最初のキラキラ星を弾けるよう指導いたします。そして子供さんにはキラキラ星のレコードを毎日家庭でかけて聞かせます。
親が最初の曲が弾けるようになるまで、子供にはバイオリンを弾かせない。このねらいは非常に重要な意味を持っているのです。
というのは、親が子供にバイオリンをやらせたいと思っても、三つや四つの子供には、バイオリンのお稽古をしたい、などという気はまるでないからです。
そこで重要なことは、子供が無意識のうちに「自分もやりたい」という気持ちを起こすように仕向けることです。
ですから手始めに最初に習う曲を家で毎日聞かせ、またレッスン日に子供を連れて行ってほかの子供たちの弾いているところにおいておく。そういう環境を子供に与えるわけです。それにお母さんが自分にこそふさわしいような小さなバイオリンをもって教室で弾くし、家でも弾いている。
そうしているうちに子供も自然にやってみたくなる。バイオリンをお母さんから取り上げて自分も“遊びたい”と思い始めます。
もう曲のメロディーも知っている。他の子供たちも弾いている。自分も弾きたい(遊びたい)。という心がだんだん育ってきます。そういう条件を作っておいてから、つぎのような順序でレッスンへスタートするのです。
「あなたもバイオリンが弾きたいの?」
「うん」
「よくおけいこする?」
「うん」
「それでは、こんどから先生にお願いしてあげましょう」
これが私の言う準備の時期です。
気短なお母さんは、すぐにでも子度に習わせたいとお思いになられるでしょうが、最初からやる気になっている子供と、いやいや押し付けられている子供とではレッスンの進み方がまるで違ってきます。一か月、二か月遅れて出発したとしても、あとで半年も一年も大きな差が出てまいります。
遊ぶ楽しさで始めさせ、遊ぶ楽しさで正しいほうへ導いていく、・・・幼児の教育は、なにごとによらずここからなされねばなりません。親や先生が“教育”だと四角張ったときに、とたんに子供はゆがみます。まずやる心を育て、そして能力を身につけさせていく、これが指導のコツでございます。
急ぐな休むな
それからもう一つご注意しておきたいことは、親の競争心であります。
よその子供の進んでいるのを見ると、とかくお母さんたちはむきになって子供に勉強を強いがちですが、これは親だけの考えであって子供には関係のないことです。
最初は子供の集中力のある間、たとえ三分間よりお稽古しなかったとしても、一日に三回やれば九分したことになります。こうして少しずつ集中力を長くしてゆくわけです。
「急ぐな、休むな」というのが、私のモットーでございます。
手中力のなくなった子供をいくらやらせようとしても、成果はけっして上がりません。そればかりか、お母さんの小言が多くなるでしょうし、子供は子供で反抗を示すでしょうし、お互いにしこりが残って明日のレッスンもまた不愉快な気持ちで始まることになります。
これとは反対に子供の心理をよく心得ているお母さんは、この辺の駆け引きが上手で、その日のレッスンが目的に達したころを見計らって、「もう今日は終わりにしましょう」と先手を打つのです。すると子供はまだやりたがりますが、そのやりたい気持ちを次の日まで心に残しておくわけです。
ほめて自信をもたせる
子供を叱りつけてやらせるのと、ほめてやらせるのとでは、子供に与える心理状態はまるで正反対です。叱られている子供は自信を無くしますし、やる意欲もなくなります。
ほめられると自信もついてきますし、励みにもなります。しかしこのほめ方も下手にやると、子供は敏感ですからすぐ噓がばれてしまってかえって逆効果になってしまいます。
鈴木先生は褒め上手だとあたりのひとからよく言われますが、私は故意に褒めるようなことは一度も致しません。またどんなに下手でも「だめだ」といったこともありません。
中略
お母さんたちは、とかく悪いところを直そうということばかりにとらわれていらっしゃるから小言も多くなるわけです。いいところを伸ばそうということだと、もう少しのんびりしていいと思います。要は少しずつでも能力が育てばいいわけですから。急がず休まず子供の成長を見守る冷静さと客観性を持つことだと思います。
導きて索かず
いまから三千年も昔の中国の本に「礼記」というのがあります。そしてその中に教育の方法として“導きて索かず“ということが書いてあります。実にいい言葉だと私は思っています。
導きてひかず、すなわち導いて、しかも無理に引っ張ってはならないと教えているのです。三千年も昔にこのような素晴らしい心理が示されているのであります。
植物の苗がすくすくと伸びかけてきたとき、もっと早く伸ばそうと先を引っ張る人はおそらくいないでしょう。そんなことをすればその植物はちぎれてしまってダメになることが分かっているからです。
それなのに人間の場合は、早く子供に知識を与えようとして、育つ条件をも考えないで、無理やり引っ張る教育を行っております。そして時によると子供が意のままにならないと叱りとばすという見当違いのことをしています。
教えてしかも育てる、すなわち教育という文字の中には、引っ張るとか叱り飛ばすという意味は含まれていません。そこにはただ育てるという極めて意味深長なうまい文字が使われています。
教えることはやさしいが、育てることは実に難しいことです。叱れば叱られる才能のほうが育ちますし、これに気が付いて、これから叱ることはやめようと思う人も、叱らなければもっとひどいことになるが一体どうしたらよいか、と途方に暮れる人も出てくるでしょう。
私の知人の一人があるとき私に、
「あなたが、叱れば叱られる才能が育つと言われるのでやむを得ず叱らないでおいたが、うちの子の場合は始末が悪くこれではどうも仕方がないと思いまして、ある日バーンと大雷を落としてやりました。
そしたらてきめんにきいて、それ以来もうやらなくなりました。やはりたまにはドカンとやったほうが良いと思いますが、どうですか」
というお話でした。それで私は
「あなたのお子さんの場合は、良かったかもしれませんね。しかしそのドカンがもし効果があったとすれば、それはあなたが久しく叱らなかったことが一つ、もう一つはあなたが腹が立って子供さんに向かったのではなく、これではどうにもいけないと考える理性の中にうまく芝居をなすったことが、あるいは子供さんに悪かったという心を強く起こさせたのかもしれませんね。
しかし、もし子供さんの心に叱られるのが恐ろしくてやらないという心だけでしたら、教育としては一時的な外見だけのものであって、あなたがいなければやっぱりやるのではないでしょうか。子供はなかなか利口ですからね。
あなたが子供さんを教えるために芝居をなさったのならば、どのようなうまい雷を鳴らしてもいいと私は思います。だが度々その被害を蒙っていて、すでに叱られる才能が立派に育っている子供ほど、芝居の雷が大きくないと一時的な効き目はありませんからね。
私は教える心、導く心で子供に教えていうるうちは教育の教に当たると思います。したがって子供の中に育った叱られる才能の育ちいかんによっては、その教えからの厳しさの甲乙も仕方のないことだと思います。腹が立った週間から教育ではなくなり、子供とのけんかになりますからね」
とお答えしたことでした。