道しるべの会 報告

更新が滞っております。すみません。

先日行われた道しるべの会の報告です

こちら→20180212道しるべ報告pdf

今回のテーマは「卒業」

「卒業」と言ってもスズキ・メソードでは、卒業録音のことを指します。

卒業録音とはスズキ・メソード創始者の鈴木鎮一先生が曲を進めるにあたり、弾けるようになった曲をさらにお稽古しより良い演奏を目指す、そして立派になった曲を録音しそれを提出し、指導者(昔は鈴木先生自ら)からコメントと会長より証書をいただき、その録音した曲を演奏会で発表し、それを見たその曲をまだお稽古していない生徒たちがあんな立派な演奏ができるようになりたいという意欲を育て、さらにそれが次の生徒たちへ…と言う制度のことを指します。

長い説明で分かりにくいでしょうか…。

とにかくスズキ・メソードの特徴である「繰り返しのお稽古」で能力を育てる一つのアイデアとして始まったのが録音制度です。

今は担当のベテラン指導者が毎11月末締切で送られてきた卒業課題曲の録音(前期初等科から研究科Cまで10段階)を聴きます。

鈴木先生がご存命だったころ(そのころはカセットテープ)、鈴木先生自らが録音を聴きコメントを吹き込んでくださっていました。一番多い時で10,000本以上のテープを朝4時から毎日お聞きになっていたというからすごいことです。一番短い前期初等科ですら3分弱、研究科Cの曲で30分近くですから…。

ここで逸話を一つ、鈴木先生は毎日生徒の録音テープを聴くことにより、その生徒がどのような姿勢や心で演奏していたかを音を聴いただけで分かってしまうのです。

「なかなか良い演奏ですね。あなたの姿勢はどこそこがなになにで、姿勢のここをもう少し良くしてこういう音で…」などと昔の録音テープに吹き込まれていたそうです。

さて、そんな録音テープも幼少のころから学んだ生徒は年を重ねるにつれ提出した本数と証書が増えます。

私の体験ですが大人になってからその録音を聞き返してみると、初等科をとったころは幼少のころのかわいい声で、「何々クラス、誰々です。〇〇を演奏します。よろしくお願いいたします!」と言うはつらつとした元気な声が。そして年を重ねるごとにだんだん大きくなってくると低い声に変わりちょっと控えめになり、思春期頃はぼそぼそ…ですが演奏もだんだん立派になって?という具合で今では良い思い出です。誰にも聞かせられませんが!

文章が長くなってしまいました。

今年は3月25日に西名古屋支部の卒業式が熱田文化小劇場にて行われます。上記の録音をした生徒たちがグループごとに演奏いたします。

この卒業式で本当にスズキを卒業する子もいれば、これからさらに上の曲目指して頑張る生徒、そして今年は録音しなかったけど来年録音して舞台で演奏する生徒…と毎年の繰り返しですが、その都度子供たちの成長を楽しみにしております。

 

次回のみちしるべは「楽譜・読譜」について東濃支部の加藤寿子先生をお呼びして楽しく話し合いたいと思います。

4月30日(月祝)10時より地下鉄東山線「一社駅」徒歩1分の東海オフィスにて行います。

詳しくは東海地区ホームページをご覧ください。